これは、Monotron をMIDIで音を出すようにするためのキットです。
このPCBは、学研から出ているSX-150用に設計されたものを変更して作りました。このボードは、ほんの少しの改造で、コルグのMonotronに使う事ができます。これで、MonotronをMIDI化することができます。
入手方法については、一番最後の「どこで手に入れるの?」をご覧ください。
MonotronにこのPCBを使うには、最初に、Monotronに若干の改造が必要になります。この改造によって、メーカーの保証はうけられなくなります。よく考えてください。
このページでは、Monotron用に組み立てる場合について記述します。
組み立ての手順のビデオを用意しました、一見されると分かりやすいかもしれません。
回路図と部品表は以下です。
完成したこの基板には、次の機能があります。
初めにMonotron側のChip抵抗をひとつ外す改造が必要です。
これによって、Monotron についているリボンコントローラーは使えなくなるかわり、monotoron基板の裏側の、'GATE'というテストポイントとして用意されているランドがGate信号の入力端子として使えるようになります。
このGateのランドは、PCBの内部で抵抗を通してpitchのランドにも接続されます。 ゲート信号をgateのランドから供給すると、ゲートだけではなくピッチも影響されます。この抵抗を外すことで、GateのランドをGateとしての正しい機能を発揮します。
外そうとする抵抗に追加でハンダを盛って、液体状のハンダの表面張力でコテ先にくっつけるようにして外すようにします。あまったハンダを掃除し、ハンダくずなどでブリッジ(ショート)が起きていないことを確認します。初心者にはこの方法をお薦めします。
MIDI-CV基板をコネクタなどを使って取り外し可能にするのであれば、リボンコントローラーも使えるように残しておきたくなるかもしれません。
その場合、この写真を参考に、Monotron内部にトランジスタを追加します。ベース抵抗を内蔵したデジタルトランジスタが便利です。ここには、DTC114を使いました。
この追加で、本体のリボンで演奏する機能はそのまま、外部からのゲートを受けることができるようになります。写真のTRのベースの黄色い線がMonotron基板のはんだ面のランドの代わりにゲート入力端子になります。
CVとゲートの追加方法に関しては、オッショさん(masa921さん)のページ、"KORG monotron CV/GATE入力改造"に大変詳しく出ています。回路図もそちらにあるので、参照にしてください。
キット化して、1年半、当時はまだ、ちょっとは流通在庫で手に入ったのだけど、DTC114、いよいよ手に入らなくなっちゃった。頒布用にTO-92タイプの互換品として、FJN3302をいくつか手に入れました。ピン配置は、国産トランジスタと一緒です。
最初の版では、PCBのパターンカットが必要でした。現在(2011年冬)の最新版のPCBではパターンカット済みでので以下の工程は不要ですが、以降の改造でパターンカットが必要な時、このテクニックは、有効です。他の基板で練習してみてください。
まず、カットする場所をチェックしてください。この場合なら、赤丸の中に、他のトレースより細くなった部分があります。
良く切れるナイフ(カッターがお勧めです)でランドぎりぎりのところの両端に切れ目をいれます取り外したいトレースに半田ごてをあてて、十分に暖めてからすっと引っ掻きます。比較的簡単にスルッと取れます。
難しくはありませんが、ちょっと慣れが必要な作業です。何事にも最初の1回目はあるわけで..はずしたあとの写真はこんな感じです。写真を良く見て、トライして下さい。
セオリーとしては、PCBに部品を載せる場合、背の低い物を先にハンダ付けします。ジャンパー線が一番最初になります。PCBに部品を挿して、ハンダ付けしようとPCBをひっくり返すと、高さの違う部品は、基板からずれ落ちます。高さが一緒であれば、それを防ぐことができます。
最初は、一番背の低い部品を、そして、徐々に高いものをハンダ付けします。
真ん中の上方に「A」マークの付いたジャンパー線があります。もし、フォトカプラの動作に由来するノイズが載る場合、ここにコイル(100uH程度)を使うことができます。普通は不要です、ジャンパー線で十分です。
後半で紹介する、SX-150やGENERAL USEで組み立てる方は、R17とU5をジャンパーしないでください。
Monotron用として組み立てる場合、電源は、Monotronから取り出すので、ローカルレギュレーターは不要です。(U5、3端子レギュレーター)。ジャンパー線で入力と出力をショートしますが、その下のジャンプするランドはGNDです。間違ってショート無いように注意してください。僕は赤い絶縁チューブをつけました。
LFO outからLFO inの長いジャンバー線は、後のステップで行います。
小さいコンデンサーをインストールします。 もし部品のリードが加工されていたら、このPCBに合うように修正します。 このように正してください。 この場合、ICソケットが次に背の低い部品でしょうね。 水晶は小さなパッケージのものを使いましたが、ICソケットが水晶のメタルのケースにぶつからないように注意してください。
PCBにICソケットをはんだ付けするときには、最初に2の対角線のピンはんだ付けしします。そして、PCB裏返し、向きとボードに対して水平かどうかをチェックします。
OKなら、ピンのすべての残りをハンダ付けします。
このPCBの抵抗は全部立て位置です。
はんだ付けした後にその値をチェックしやすくするためにカラーコードの向きをそろえて、足を曲げます。
PCBに抵抗をさし、足を広げて落ちないようにしてから片足だけハンダ付けします。裏返して、場所や姿勢をチェックして、OKなら、もう片方の足をハンダ付け。あまったリードを切り取ります。
この基板はもともと、学研のSX-150用に設計されたものですが、抵抗の付け方を変えるだけで、いろいろになバリエーションに変化します。このページでは、Monotron用の組み立て方を紹介しています。
特にここでは回路図のR14は、PCBの表面に印刷してある抵抗のむきと違っていて、トリムの半固定抵抗が乗るべき所についています。
また、回路図には、R15がありますが、PCBにはR15の表示がありません。これも半固定抵抗の穴を利用して取り付けています。
予め回路図を確認しておいてください。
この変更で、回路図どおり、TRIMは10kに固定、PitchのCVは10kを通して、VCFへは100kを通してそれぞれ、PitchとC-OFFに供給します。
残りの部品は、フォトカプラ(U1)の上の周辺のダイオードと、3本のケミコンです。これらには極性がありますし、特にケミコンは熱に弱い部品です、手早くハンダ付けします。最後は、2本のフィルムコンデンサです。
ダイオードについては、カソード側のリードをまげて、写真で示される向きに付けます。
部品表や、回路図には、R2は220Ωとなっていますがこれは200Ωでも問題はありません。部品セットのロットによっては200Ωが含まれています。この写真にも200Ωがついています
LFO out からLFO inの長いジャンパー線を忘れないでください。
Monotron用に組み立てるMIDI-IFには、調整する箇所はありません。 monotron側にトリムがあり、これで「オクターブの幅」を調整します。 この方法は、後のセクションで書きます。
基板の右側の"TUNE"というパッドをグランドに落とすと、MIDIから、"A3"(MIDI Note Nunber 53)を受信したのと同じ状態になり、ゲートがオンになり、それに見合ったCVが出力され、440というパッドから220Hzの矩形波がラインレベルで出力されます。シンセの出力とミックスすることで、シンセそのもののピッチをAにあわせるためのチューニングの補助的な機能として使えます。
ボードを組み立て終えたらチェックします。特にMonotron用の場合、電源ラインはMonotronから直接引き出します。もし、このボードの電源ラインにショートした部分があったまま接続すると、Monotronにダメージを与えます。Monotronは内部に、DC/DCコンバーターが内蔵されていて、電源ラインそのものには保護回路がありません。ヤッちゃうと、直すのは難しいです。新しい奴を手に入れたほうがいいでしょう。でも、それは、Monotronの内部(電気回路そのもの)を深く知るチャンスかもしれません。恐れることはありません、色々やってみてください。
PCBには、Monotronとは接続しないケーブルが2セット出ます。
MIDI-INのコネクタと、グライドのボリュームです。写真でコネクタを足の番号をチェックしてください。ほとんどのトラブルはMIDIコネクタの接続のミスです。ここが要注意。
グライドのボリュームの3番端子は、オープンになっています。僕は、いつでも部品の再利用が可能/簡単になるよう、オープンのままで使っていますが、気になる方は2番とショートしておくのが行儀の良い使い方です。
もし、グライド機能は要らないのなら、'GLIDE1' と 'GLIDE2'を直接接続してもOKです。
ハンダ付けのチェックは何度もやってください。ここは大丈夫とおもっているところにミスはあります。特に、このPCBはすべて抵抗が立て位置ですので、はんだ付けした後から、抵抗の値のチェックが難しいかもしれません。
PCB組み立てOK、さあ、ICを乗せて完成、という時についうっかり逆さにつけるのは良くあることです。えー、ソケットの向きが逆だったとか。単体の5VのACアダプタでテストしていた時に僕ももやりました。ラッキーにも壊れませんでしたが、これは、Monotronに接続してやると、monotoron側の電源の方がやばいかもしれません。
あわてることはありません、じっくりやりましょう。
このPCBは元々SX-150用に設計されたものを改造して使うので、PCB上に出ているラベル名と、monotronのランドの名前が一致していません。上の写真のキャプションの通り、monotronに接続することになります。
monotoronの基板についているランドの内、LFO、RATE、VCOはMIDI-IFでは使いません。見れば分かりますが、これ、ちいさいです。細めのケーブルを使って、ハンダメッキしたら、さっきっぽを切りそろえて、2mm程度残した部分をチョンとはんだ付けします。あらかじめ、monotoronのランドにハンダを盛っておくのがよさそうです。
写真撮影のために、太いケーブルではんだ付けしましたが、実際はもっと細いケーブルを使った方がよさそうです。
どちらの写真もクリックすると拡大できます。よく見て作業してください。
MIDIケーブルも含めて、音を出すためにすべてのケーブルを接続します。キーボードをひけば、Monotronから音が出るはずです。聞きやすい音程にあわせて、オクターブ違う2音を交互に演奏します。
もし、1オクターブに届かないようなら、Monotronのトリムを時計回りに、1オクターブを超えるようなら、反時計回りに回します。
Monotronを正しく調整するのは、簡単ではありません。 しかし、気にすることはありません。 Monotronの温度補償は完全ではありません。ギターやアルトサックスのようにいつも音程は変動しています。
温度による音程の変動はAnalog synthの魅力の1つです。気にしないでください。 アナログのSynth世界へようこそ!
MIDI CH | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
7Pin(LSB) | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 |
8Pin | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 |
9Pin(MSB) | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 1 |
MIDI-IF for Monotron のオプション機能をいくつか組み合わせることで、SX-150SX-150用に組み立てる事ができます。もう少し部品を追加でつけてみましょう。SX-150用に組み立てる際の回路図と、部品リストは以下です
Monotron用と、SX-150用の違いは、
組み立てでは、ATTiny2313の14pin付近のジャンパー線が追加、R17(1K)、R18(1K)、R4(22k)、R5(10k)、C3(0.0047uF)が追加になった事と、R8-2、R11-2がなくなった事です。
R14の向きは、monotronとは違いPCBに示されたとおりの向きに1kを付けます。基板の写真を見てください。
Monotron用では、LFOのスピードを変えるつまみを出す場所がパネル上に取れなかったので、MIDIからコントロールチェンジを送ることで、スピードを変えるようになっています。この機能は、SX-150版で追加になったジャンパー線がスイッチになっていて、これをショートすれば、スピードつまみで、オープンなら、スピードはMIDIのコントロールチェンジでスピードを決めます。このジャンパー線をスイッチに置き換えると、両者を切り替えることができます。
もう少し具体的にはコチラのページをご覧ください。
SX-150版は、もう一工夫すると、一般的に利用できる1V/1オクターブのMIDI-IFとしても使えます。詳細は以下のページをご覧ください