Count Beat Jr.は、電子工作の初心者の為の手づくりキットです。
最初は、和太鼓のアンサンブルの練習用に、自分たちの出している太鼓の音が大きすぎて、普通のメトロノームではカチカチ言う音が聞こえないので、振り子タイプの古典的なメトロノームの代用として設計しました。
ひょっとすると、ストリングスアンサンブルのレコーディングなどで、コンダクターがテンポをチェックするためのメトロノームやクリック音の替わりに、ピカピカするフラッシュが使えるかもしれません。
このガジェットはただ、ピカピカ光るだけでなく、テンポのバックビートを感じられるように、光の減衰具合を工夫して、音の変わりに光で、メトロノームの替わりに使えるように工夫してあります。
一般には、十分に安定したテンポのように見えますが、厳密には温度によるテンポの変化がありますので、絶対時間の計測には使えません。
とはいえ、バンドやチームでのアンサンブルの練習の場面では問題なく使えるレベルです。
このキットは「ジュニア」という名前をつけたのには理由があって、基本のテンポのタイミングを外部に接続したMIDIベースのシーケンサーから、MIDI-Clockとして取り出し、そのクロックを見やすい形に表示する物を検討していたのですが、最初の版のテストをしているうちに、スタンドアロンで、シンプルなメトロノームとして使える版も欲しいな、と思い始めました。もちろん、最初に検討していた通り、メトロノームとして使えそうなだけでなく、ピカピカフワフワと光かる本機の光を見ていると、これだけで、催眠術マシンにも使えるかもしれませんし、テクノ系のライブパフォーマンスなどでのギミックにも使えるかもしれません。
8つのLEDと15個程度の部品で構成されています。部品点数は多くなく、初心者向けになっています。ハンダ付けに慣れていれば、20分程度で組み立てられるはずです。
微調整のためのトリマーはありませんし、オシロスコープなど特殊な計測器がなくても組み立てられます。ただ、趣味のひとつとして電子工作を続けるつもりがあるなら、テスター(デジタルマルチメーター)は1台手に入れたほうがいいかもしれません。どちらにせよ、このキットでは不要です。組みたてて、電池を接続するだけで動きます。
このキットは、プリント基板上にすべてを組み立てるスタイルになっていますが、何かケースに入れたほうがいいかもしれません。また、電源スイッチがついていません。(基板上にはないので電池ボックスに電源スイッチが付いたものを選びました)
ぜひ、オリジナルのケースに入れてください。こんな風にやってみたというアイディアをこのキットを組み立てる人たちと共有できたら、楽しいかもしれません。もし綺麗にケースに入ったら、写真を送ってください。たくさん集まったら、ギャラリーページを作ります。
ご自身のほかのプロジェクトの中に組み込んでしまうのもありですね。後で書きますが、ちょっとしたオプションの機能が含まれてます。
回路図と、部品リストは一番最後に出ています。
主要部品び一つ目はワンチップCPUです。内部の9.6MHzの発振器を外部に接続したNJU3711のために数えます。どちらにせよ、ATTINY13A は小さすぎて8つのLEDを同時に光らせる電流を流すのは厳しいです。NJU3711が、CPUの命令でどのLEDを点灯させるかを決めて、その明るさの変化は、CPUのPWMの信号を使っています。
そしてLED。最初の計画では、写真のフラッシュに使うようなキセノンランプを検討していましたが、このFLAXタイプというとても明るいLEDに行き当たりました。このLEDを使うことで、簡単に組み立てることが出来ます。
このキットでは2種類の抵抗を使います。それぞれの抵抗は4本の色の帯が付いています。1本は、1K Ω(茶、黒、赤、金).このキットでは1本だけ使います。のこりは、100Ω(茶、黒、茶、金)。この抵抗は、LEDの電流制限に使います。この00Ωの抵抗値を換えることで、最大の明るさを換えることができます。
この設計では、NPNトランジスタで、CPUからのPWMの信号を、LEDの明るさをダイナミックに変えるようにしています
小さな青いコンデンサは、出カップリングコンデンサとして使っています。これは、電源に乗るノイズを軽減しています。小さな文字で104と出ているはずです。これは 0.1μF(マイクロファラッド)を意味しています。この単位の表記は一般に、"μ"の替わりに"u"(小文字のU)が使われることもあります。
3段階で組み立てましょう。最初はコンデンサと、抵抗。次にLEDとIC。最後がボリュームとトランジスタです。
これは部品のプリント基板上のでの背の高さで決めます。
同じコンデンサでも、ケミコンはICより背が高いかもしれません。この場合はICのハンダ付けが終わってから、ケミコンをつけます。
プリント基板上に部品をさしてハンダ付けするためにそれをひっくり返すと、いくつかは、テーブルに落ちてしまい、ハンダ付けしたときに背の高さが揃いません。部品の背の高さを揃えてハンダづけすると、きれいに仕上がります。
とはいえ、正しい場所に正しい部品がついていれば、動きます。慣れてきたら、そろえるようにします。綺麗に組み立てるのは動かなかったときにミスを発見しやすくするため、ぐらいの意味です。
ハンダは、半田ごてがあたるとすぐに解けます。半田ごては、最初に穴の周りのドーナッツ(ランドといいます)と部品の足に当てるようにして、そこにハンダを加えます。最初の1秒は、部品とランドに、次の1秒でハンダを溶かしなじませませ、トータル2秒で終えるようにします。
部品によっては暖めすぎるとダメージを与えることになります。
ICや、LEDのような半導体は、極性があります。向きに機をつけてください。ICは1ピンに何かのマーク、白ぽちや、凹みが刻印されています。
このキットでは、上下にならぶLEDは向きが違います。上のラインは、切り欠きが右下に、下のラインは、左上になります。
ここの写真は、クリックすることで拡大できます。よく見比べてチェックしてください。
トランジスタにも極性があります。シルク(基板に印刷された白いマーク類)に向きをあわせてください。ボリュームは、3本の足だけでなく、太い2本の足も全部ハンダ付けします。
僕は、ボリュームシャフトのポジションを分かりやすくするために、溝を白く染めました。爪楊枝の先に修正液をとって載せて流し込むようにしてペイントします。十分に乾いてから、はみ出した部分をカッターナイフで、削り取ります。
全部の部品が乗ったら、電池ボックスのケーブル(または電池スナップ)をハンダ付けします。VCCは+の線を意味します。GNDはマイナス(黒線)です。
必要なら電源スイッチを追加してください
このキットは電池2本から動きますが、LEDが十分に光りません。単3電池を3本(4.5V)の方が良いでしょう。もしACアダプターで動かしたいのなら、レギュレーターの内蔵された5Vのものを使います。
レギュレーターの付いていないシンプルなACアダプターは6V-9Vぐらい出ていることがあり、この電圧は、CPUを壊します。CPUは最大で5.5Vまでしか掛けることができません。手持ちのACアダプタを使う時には要注意です。
このキットはケースを含みませんので、出来上がりはこの写真のとおりになります。
このページのトップの写真は、僕のオリジナルのケースです。乳白色のアクリル板と、アルミのチャンネル、木片などで作りました。ACアダプタ専用にしてあります。このケースの中には(狭くて)電池は仕込めませんでした。充電可能な、リチャージャブルバッテリーなら、入るかもしれません。
電池(ACアダプタ)をつなげるとすぐに動き始めます。上のラインは、四分音符を、下のラインは、小節数を数えます。
ワンチップCPU(Tiny13A)の2番ピンは、0Vから、VCC(CPUに掛かっている電圧と同じ、もし5Vで動かしているのなら5Vまで、4.5Vなら、4.5Vまで)までの電圧を変化させることでテンポが変わります。PCB上のボリュームを使わずに、パネルにつけるタイプのVRを使うと、色々なケースに入れやすくなるかもしれません。
どんなケースに入れようかな、何か良いアイディアがありますか?
コルグの"Monotribe"について、聞いた事がありますか?これは、コルグの、安価なグルーブマシンです。こちらをチェックしてください。フルアナログのドラムマシンと16ステップのシーケンサーとアナログシンセが1台入っています。
このマシンには、他の、シーケンサや、Mnotribeとテンポを共有するためのシンク端子がでています。
このキット、CountBeatJrは、モノトライブ用のシンクアウトを出すオプションがあり、CountBeatJrで、Monotribeのテンポをコントロールすることができます。
ATtiny13Aの3番ピンは、1小節当たり16こ(16分音符相当)のトリガーをだしています。パルスの幅は15msで、Monotribeの出力するものと一緒ですが、ちゃんとMonotoribeをシンクするには追加回路が必要です。
Monotribe用シンク信号のトリガーシェイパーの回路は以下の通りです。
Part# | item | memo |
Q1 | Any NPN Transistor | 2SC1815 or so |
D1 | Any Switching Diode | |
R1 | 47k | carbon 1/4W |
R2 | 10k | carbon 1/4W |
C1 | 0.1uF | ceramic 50V |
C2 | 0.1uF | ceramic 50V |
この回路はこの写真のように動きます。急峻な立ち上がりをさけ、15mS掛けて立ち上がるようなトリガーを生成しています。R1を変えることで、カーブの形をかえることができます。このカーブは、Monotribeに最適化してあります。小さな回路ですから、ブレッドボードなどに組み立てて、動かしてみてください。
この部分だけ組み立てて、アルデュイーノなど、他のプラットフォームから、monotribe用のシンク信号を出す事ができます。パルスの幅(15mS)だけ注意してください。
部品リストはこちら。トランジスタは、NPNタイプならなんでもOK、ダイオードはスイッチングタイプのものを使います。
Part# | item | memo |
U1 | NJU3711D | LED Driver |
U2 | ATTINY13A | 1 Chip CPU |
Q | 2SC1815 | NPN Type |
LED1-8 | OSW75LZ161D | 7.6mm FLUX Type |
R1-8 | 100 | carbon 1/4W |
R9 | 1k | carbon 1/4W |
C1 | 0.1uF | ceramic 50V |
C2 | 0.1uF | ceramic 50V |
VR | 10K(B) | |
BatteryBox | MU-3X3 |
"CountBeats jr" は、初心者向けのキットとして開発され、キットとしても供給していますが、以下の情報を元に自前でも組み立てることが出来ます。
キットに含まれるATTiny13A はプログラムが書き込み済みです。新規で購入するATTiny13Aにはプログラムが書き込まれていませんので、別途このページで公開されているソフトをご自分で書き込む必要があります。