MIDI-IF for SX-150 Kit

Get MIDI-IF for SX-150

CCTO LAB.「クラッシュ万事休す」 (youtube)

2011年春の終わりに、六本木の「曼荼羅」にライブを見に行ってきました。この日、ステージの左側にリグを並べていたのが、SX-150のプランナーでもあるポリムーグさん。彼は、いくつかのユニットに参加されていて、ガジェットシンセをプレイしていらっしゃる。特に、「CTO LAB」というバンドでの活動はYoutubeでも簡単に見ることができます。(このビデオのラストでは一番右にいらっしゃるけど..)そして、このショウの終わりに、SX-150MK2を企画していることを紹介されました。

SX-150は学研(gakken)がリリースしたガジェットシンセです。大変シンプルに作られていることから、音程の正確さには、若干の難があるのですが、小さくてかわいい。やれたっ!これ、最高。
最初のSX-150がリリースされたとき「RadioJankBox」さんが、"MIDI-IF for SX-150"を開発されました。これを追試させていただき、ライブパフォーマンスでも使えるように改造を加えたのが、MIDI-IF for SX-150です。実は、これをさらに改造して、monotronにも使えるようにしたのが、MIDI-IF for Monotronだったりするので、Monotron用のMIDI-IFは、ちょっと定数を換えれば、SX-150にも使えるようになります。

OverView

picture of package of MIDI-IF for sx-150
package of MIDI-IF for sx-150

SX-150Mark2が発売になって、旧版になってしまったのだけど、SX-150だって、なかなか良い音で鳴っています。これをMIDI化するためのキットがこのMIDI-IF for SX-150です。

Schematic for SX-150 configuration (PNG format)
Bill Of Materal for SX-150 configuration

先にも書いたとおり、MIDI-IF for Monotron用のPCBとプログラム済みのCPUをそのまま使いますが、若干の組み換えと、定数の変更を加えることでSX-150用に使えます。PCBの組み立てについては、MIDI-IF for Monotronのページも参考になります。あわせてチェックしてください。

SX-150 configuration
SX-150 configuration

この写真がMIDI-IF for SX-150です。基板の作成に関して、Monotron Versionとは違う部分は赤丸で囲った部分です。紫色で囲った部品はSX-150版では使いません。

Components layout
詳しくは、この図で部品の場所と値をチェックしてください。
SX-150用のMIDI-IFは、電源の関係で、monotron用のものより手軽に使えるようになるかもしれません。MonortonVersionでは、電源はMonotronから取り出していますが、このバージョンでは、PCBに3端子レギュレーターを載せており、ホスト(SX-150)とは独立して9Vの電池から供給できるようになります。

Wiring

Wiring for SX-150 configuration
Wiring for SX-150 configuration

この写真で配線のすべてが見られます。SX-150バージョンでは、4つのボリュームを使います。もし多すぎると思われたら、ぜひ、以下の改造してみてください。

1.U1の14番ピンの右隣のジャンパー線は、MIDIからのコントロールチェンジを受けて、ビブラート用のLFOのスピードを換えるか、この基盤に接続するボリュームで変えるかをスイッチします。(コントロールチェンジは、4C (10進で76)です。)
ジャンパー線をつけない場合には、MIDIコントロールオンリーですから、ボリュームだけでなく、MIDI-IF for Monotron 版と同様にR4,R5,C2もハンダづけする必要はありません。シンプルになります。

2. SX-150 は、季節の温度の変化によって音程が変化してしまいます。使っていて、マシンに流れる電流によって温まってくることでも変わります。 音程が変わります。場合によっては、ギターなどと同様に1曲演奏するごとに、チューニングの修正がひつようになるかもしれません。温度変化に強い設計であれば、スパンの修正はそんなに必要ありませんが、SX-150では、オクターブスパン(スケール)の修正も必要になりる事もあります。
PCB上に 半固定低抵抗(トリマー)を載せる場合には、SX-150とのCVの接続のラインがグランドにショートする事故があったときにも出力のオペアンプが壊れないように(多分壊れませんが)保護するために一工夫が必要です。

3.さらに、場合によってはグライドは使わないかもしれません。これは、ボリュームをつける替わりに、Glide1/2の端子をショートすればOKです。

電池は、006P(9V)のものを使います。 SX-150との接続は、写真のSX Pitchのラインを、SX-150の電極ペンに接続します。また、SX GNDは、電池のマイナス、または、アウトプットジャックから取ります。

Housing

MINI MOOG like panel
MINI MOOG like panel You can enlarge by clicking

仕上げは、ケースへの組み込みです。このキットではケースは含まれませんので、お好きなケースにお好きなデザインで収めてください。僕は、MINIモーグのパネルの一番左側のデザインを模したケースにいれてみました。このケースに入れるためにサブ基板をケースのサイドに取り付けています。写真でチェックしてください。

Inside of the box
追加したスイッチ周りの詳細
この組み立てでは、ウエーブフォームスイッチと、チューニングのサポート発振器のスイッチ、オクターブスパンのボリュームをつけています。これらはオプションです。

1. 「ウエーブフォーム」スイッチは、ビブラート用のLFOの波形を切り替えます。オープンであれば、デフォルトで三角波を出します。PCB上の「Tune」の「Form}の端子をグランドに落とすことで矩形波にきりかえることができます。

2. PCB上の「Tune」の端子をグランドに落とすことで、「440」の端子からチューニングサポート用の220Hzのオーディオ信号と、SX-150にAの音のCVが出力されます。(一般に440Hzは、オーケストラがチューニングに使う周波数で、ギターなどでは、440Hzという表示で220Hzが使われています)

SX-150版は電源をSX-150とは別に持ちますので、MIDI-IFとSX-150のグランドを接続しなければいけません。僕は、SX-150のオーディオアウトを3.5mmのジャックから取り出し、MIDI-IFのグランドを接続し、さらに、このチューニング用の220Hzを単純にここで混ぜて、6.3mmのジャックに変換するようにしています。
なにか、もっと良い工夫があるかもしれません。気が付かれたら、ぜひお知らせください。