自分用のMIDI-IFを組み立てよう。

MIDI-IF building instructions

これは、Monotron をMIDIで音を出すようにするためのキットです。 これで、MonotronをMIDI化することができます。
MonotronにこのPCBを使うには、最初に、Monotronに若干の改造が必要になります。この改造によって、メーカーの保証はうけられなくなります。よく考えてください。
このページでは、Monotron用に組み立てる場合について記述します。
回路図と部品表は以下です。

完成したこの基板には、次の機能があります。

  1. 受信MIDI-CHは1に固定です。 オプションで1~8に変えることができます
  2. MIDIノートオン/オフの受信
  3. ピッチベンドメッセージの受信。幅は1全音に固定されています
  4. モジュレーションホイールメッセージを受け取り、ビブラートの深さを制御できます
  5. ビブラートの速度を変えるために、コントロールチェンジメッセージ4CH(十進数で76)を受けます
  6. チューニングサポート発振器(440A)
  7. 電源はMonotronから取り出します

準備

Blue circle is the target to remove.
アオ丸が、ターゲット(Clickで拡大)

初めにMonotron側のChip抵抗をひとつ外す改造が必要です。
これによって、Monotron についているリボンコントローラーは使えなくなるかわり、monotoron基板の裏側の、'GATE'というテストポイントとして用意されているランドがGate信号の入力端子として使えるようになります。
このGateのランドは、PCBの内部で抵抗を通してpitchのランドにも接続されます。 ゲート信号をgateのランドから供給すると、ゲートだけではなくピッチも影響されます。この抵抗を外すことで、GateのランドをGateとしての正しく機能します。
外そうとする抵抗に追加でハンダを盛って、液体状のハンダの表面張力でコテ先にくっつけるようにして外すようにします。あまったハンダを掃除し、ハンダくずなどでブリッジ(ショート)が起きていないことを確認します。初心者にはこの方法がお薦めです。

Blue circle is the target to remove.
アオ丸が、ターゲット(Clickで拡大)

MIDI-CV基板をコネクタなどを使って取り外し可能にするのであれば、リボンコントローラーも使えるように残しておきたくなるかもしれません。
その場合、この写真を参考に、Monotron内部にトランジスタを追加します。 CVとゲートの追加方法に関しては、オッショさん(masa921さん)のページ、"KORG monotron CV/GATE入力改造"に大変詳しく出ています。回路図もそちらにあるので、参照にしてください。 氏のページでは、ベース抵抗を内蔵したデジタルトランジスタにDTC114がつかわれていますが、が入手しにくくなっていますので、キットのオプションとして、頒布用に互換品として、ハンダづけしやすいTO-92タイプのFJN3302を用意してあります。ピン配置は、国産トランジスタと一緒です。

  • data sheet for FJN3302
  • 平たいトランジスタの名前が書いてある面を、LM324(Quad opeamp) に貼り付けると、一番左がベースになります。この写真、では黄色い線が付いています。真ん中がコレクタ。LM324の9ピンに接続します。最後がエミッタ。グランドに落とします。たまたま、LM324の11ピンがグランドです。近くでよかったーみたいな感じで、ハンダ付けします。
    この追加で、本体のリボンで演奏する機能はそのまま、外部からのゲートを受けることができるようになります。写真のTRのベースの黄色い線がMonotron基板のはんだ面のランドの代わりにゲート入力端子になります。

    The Parts

    check your parts.
    check your parts.(Click to enlarge the picture)

    Monotron MIDI-IFのキットに含まれる部品の一覧です。 いくつかの部品は形が違うかもしれません。フィルムコンデンサは、積層フィルムタイプに変更になるかもしれません。また、ディスクタイプセラミックコンデンサ、(22pまたは、20p)は、積層セラミックタイプに変更になるかもしれません。 どちらにせよ、どの部品でも使うことができます。Webなどで検索して、どんな部品なのかをチェックください。 このキットに使われている抵抗は、エラーランクも含めて5本の帯が付いています。最後の茶色の帯がエラーランクで、1%になっています。 残りの4本の帯が抵抗値を表しています。よくチェックしてください。

    第1ステップ

    Install Jumper line first
    Install Jumper line first.(Click to enlarge the picture)

    セオリーとしては、PCBに部品を載せる場合、背の低い物を先にハンダ付けします。ジャンパー線が一番最初になります。PCBに部品を挿して、ハンダ付けしようとPCBをひっくり返すと、高さの違う部品は、基板からずれ落ちます。高さが一緒であれば、それを防ぐことができます。
    最初は、一番背の低い部品を、そして、徐々に高いものをハンダ付けします。
    基板の真ん中、上方に「L」マークの付いたジャンパー線があります。もし、フォトカプラの動作に由来するノイズが載る場合、ここにコイル(100uH程度)を使うことができます。普通は不要です、ジャンパー線で十分です。

    基板上には、3端子レギュレーターを載せるパターンが用意されていますが、Monotron用として組み立てる場合、電源は、Monotronから取り出すので、これは不要です。(U5、3端子レギュレーター)。ジャンパー線で入力と出力をショートしますが、その下のジャンプするランドはGNDです。間違ってショート無いように注意してください。
    Lジャンパー線は、4本です。


    第2ステップ

    install small capacotors
    install small capacotors.(Click to enlarge the picture)

    小さいコンデンサーをインストールします。 もし部品のリードが加工されていたら、このPCBに合うように修正します。 このように正してください。 この場合、ICソケットが次に背の低い部品でしょうね。 水晶は小さなパッケージのものを使いましたが、ICソケットが水晶のメタルのケースにぶつからないように注意してください。

    PCBにICソケットをはんだ付けするときには、最初に2の対角線のピンはんだ付けしします。そして、PCB裏返し、向きとボードに対して水平かどうかをチェックします。 OKなら、ピンのすべての残りをハンダ付けします。

    第3ステップ

    installing resistors
    installing resistors.(Click to enlarge the picture)

    このPCBの抵抗は全部立て位置です。
    はんだ付けした後にその値をチェックしやすくするためにカラーコードの向きをそろえて、足を曲げます。 PCBに抵抗をさし、足を広げて落ちないようにしてから片足だけハンダ付けします。裏返して、場所や姿勢をチェックして、OKなら、もう片方の足をハンダ付け。あまったリードを切り取ります。 この基板はもともと、学研のSX-150用に設計されたものですが、抵抗の付け方を変えるだけで、いろいろになバリエーションに変化します。このページでは、Monotron用の組み立て方を紹介しています。
    特にここでは回路図のR14は、PCBの表面に印刷してある抵抗のむきと違っていて、トリムの半固定抵抗が乗るべき所についています。

    installing resistors
    installing resistors.(Click to enlarge the picture)

    また、回路図には、R15がありますが、PCBにはR15の表示がありません。これも半固定抵抗の穴を利用して取り付けています。 予め回路図を確認しておいてください。
    この変更で、回路図どおり、TRIMは10kに固定、PitchのCVは10kを通して、VCFへは100kを通してそれぞれ、PitchとC-OFFに供給します。

    最終段階

    monotron configuration
    Monotron用(Click で拡大)

    残りの部品は、フォトカプラ(U1)の上の周辺のダイオードと、3本のケミコンです。これらには極性がありますし、特にケミコンは熱に弱い部品です、手早くハンダ付けします。最後は、2本のフィルムコンデンサです。

    ダイオードについては、カソード側のリードをまげて、写真で示される向きに付けます。
    部品表や、回路図には、R2は220Ωとなっていますがこれは200Ωでも問題はありません。部品セットのロットによっては200Ωが含まれています。この写真にも200Ωがついています
    LFO out からLFO inの長いジャンパー線を忘れないでください。

    SX-150 configuration
    The direction of diode(Click to enlarge the picture)

    Monotron用に組み立てるMIDI-IFには、調整する箇所はありません。 monotron側にトリムがあり、これで「オクターブの幅」を調整します。 この方法は、後のセクションで書きます。
    基板の右側の"TUNE"というパッドをグランドに落とすと、MIDIから、"A3"(MIDI Note Nunber 53)を受信したのと同じ状態になり、ゲートがオンになり、それに見合ったCVが出力され、440というパッドから220Hzの矩形波がラインレベルで出力されます。シンセの出力とミックスすることで、シンセそのもののピッチをAにあわせるためのチューニングの補助的な機能として使えます。

    配線する

    Get it wired
    (Click で拡大)

    ボードを組み立て終えたらチェックします。特にMonotron用の場合、電源ラインはMonotronから直接引き出します。もし、このボードの電源ラインにショートした部分があったまま接続すると、Monotronにダメージを与えます。Monotronは内部に、DC/DCコンバーターが内蔵されていて、電源ラインそのものには保護回路がありません。ヤッちゃうと、直すのは難しいです。新しい奴を手に入れたほうがいいでしょう。でも、それは、Monotronの内部(電気回路そのもの)を深く知るチャンスかもしれません。恐れることはありません、色々やってみてください。

    PCBには、Monotronとは接続しないケーブルが2セット出ます。

    DINコネクタとボリュームのpin配置
    DINコネクタとボリュームのpin配置(Clickで拡大)

    MIDI-INのコネクタと、グライドのボリュームです。写真でコネクタを足の番号をチェックしてください。ほとんどのトラブルはMIDIコネクタの接続のミスです。ここが要注意。
    グライドのボリュームの3番端子は、オープンになっています。僕は、いつでも部品の再利用が可能/簡単になるよう、オープンのままで使っていますが、気になる方は2番とショートしておくのが行儀の良い使い方です。
    もし、グライド機能は要らないのなら、'GLIDE1' と 'GLIDE2'を直接接続してもOKです。

    monotronと接続する

    MIDI-IF側の配線
    (Click で拡大)

    ハンダ付けのチェックは何度もやってください。ここは大丈夫とおもっているところにミスはあります。特に、このPCBはすべて抵抗が立て位置ですので、はんだ付けした後から、抵抗の値のチェックが難しいかもしれません。
    PCB組み立てOK、さあ、ICを乗せて完成、という時についうっかり逆さにつけるのは良くあることです。えー、ソケットの向きが逆だったとか。単体の5VのACアダプタでテストしていた時に僕ももやりました。ラッキーにも壊れませんでしたが、これは、Monotronに接続してやると、monotoron側の電源の方がやばいかもしれません。
    あわてることはありません、じっくりやりましょう。

    monotron側の配線
    (Clickで拡大)

    このPCBは元々SX-150用に設計されたものを改造して使うので、PCB上に出ているラベル名と、monotronのランドの名前が一致していません。上の写真のキャプションの通り、monotronに接続することになります。
    monotoronの基板についているランドの内、LFO、RATE、VCOはMIDI-IFでは使いません。見れば分かりますが、これ、ちいさいです。細めのケーブルを使って、ハンダメッキしたら、さっきっぽを切りそろえて、2mm程度残した部分をチョンとはんだ付けします。あらかじめ、monotoronのランドにハンダを盛っておくのがよさそうです。
    写真撮影のために、太いケーブルではんだ付けしましたが、実際はもっと細いケーブルを使った方がよさそうです。

    どちらの写真もクリックすると拡大できます。よく見て作業してください。

    Tune it

    MIDIケーブルも含めて、音を出すためにすべてのケーブルを接続します。キーボードをひけば、Monotronから音が出るはずです。聞きやすい音程にあわせて、オクターブ違う2音を交互に演奏します。
    もし、1オクターブに届かないようなら、Monotronのトリムを時計回りに、1オクターブを超えるようなら、反時計回りに回します。

    Monotronを正しく調整するのは、簡単ではありません。 しかし、気にすることはありません。 Monotronの温度補償は完全ではありません。ギターやアルトサックスのようにいつも音程は変動しています。
    温度による音程の変動はAnalog synthの魅力の1つです。気にしないでください。 アナログのSynth世界へようこそ!

    MIDI-IF for monotronのオプション機能

    MIDI CH1 2 3 4 5 6 7 8
    7Pin(LSB)0 1 0 1 0 1 0 1
    8Pin0 0 1 1 0 0 1 1
    9Pin(MSB)0 0 0 0 1 1 1 1
    MIDI-CH settings
    MIDI CH の変更などのオプションの機能が用意されています。必要な機能をチョイスして追加してみてください。 デフォルトでは、MIDIチャンネルは1CHに固定ですが、このオプションの接続をすれば1から8までにかえられます。CPUの7ピンから9ピンまでをディップスイッチなどにせつぞくして、表のようにセットします。1は接地、0はオープンの意味です。 すべてのピンはCPUの内部でプルアップされていて、全部オープン(何も接続しない)状態で1chになります。